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すさまじいクレーム処理の実態。 [ノンフィクション]

 クレームを付けるのが大好き、という不思議な趣味を持つヒトというのが世の中には存在するようです。一般的感性をもってすれば、他人様に文句を言う前に自分の問題を検証するのが当然と思うのですが、彼らの発想はまったく逆。自分が関わったミスの原因はすべて他人にあり、それを糾弾することに最高の快感を持つようなのです。私も昔、とんでもない恐ろしいクレーム処理の現場に立たされたことがありまして、その恐ろしさは未だに忘れることはできません。なんといっても、クレームのためなら相手が誰であろうと声高々に電話しまくるあのすさまじいパワー。ヒステリックな一種の神経症なのではありましようが、そんな病人相手に世間の常識の範囲内で抗弁する企業担当者の方々は、本当に大変なご苦労をされていることだと存じます。

 川田茂雄「ムチャを言う人」(中央公論新社)は、クレーム処理歴20年というクレーム処理のプロたる作者が、これまでに関わってきた事例から特別なモノだけを集めて公開するという実例集であります。企業にクレームを付けて相手をやりこめ、それを楽しむという愉快犯型クレーマーというのが最近は増殖しているようなのですが、企業側は滅多にこうした実態を明かさない。そのためクレーマーたちは同じ手口で次々と各社を攻め続け、企業のクレーム処理担当を悩ませ続けているらしいのです。前著「社長を出せ!」でも、クレーム処理の実態とその大切さを訴えることに成功した作者ですが、本書ではより具体的にクレーマーたちの手口を公開しているため、クレーム処理の現場に立つ人たちにとってのノウハウ集にもなっています。

 明らかにカメラの使用方法のミスによる撮影ミスなのに、大切な機会を失ったと訴えて損害賠償を要求してくる人。ヤクザのように声を荒げて会社にやってきて、細かな製品の欠陥を指摘するだけでなく、その行動にかかった費用や損失した備品の費用まで要求を突きつける人。一度電話に捕まったら、永遠何時間も細かな疑問や問題点を指摘し続ける人・・・・。私も経験があるだけに、毎日こんな人たちの対応に追われている現場の人たちのご苦労が察せられ、さぞかし胃を痛くしていることだろううと同情申し上げてしまいました。しかし作者が本書を記した本当の目的は、こうしたクレーム処理の中からも企業が消費者の声を真摯に吸い上げることの大切さを訴えることではあります。普通に考えたらとても相手にしていられない人たちとも真摯に向き合い、企業の社会的立場を守るクレーム担当者。一見素晴らしいことではありますが、これらを逆手にとってますますクレーマーたちの態度がエスカレートしないことを願いたいものですな。


ムチャを言う人—不屈のクレーム対応奮戦記


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w

仕事がらよくクレームを受けます。。。
すごい参考になりそう。貸して下さい!
by w (2005-06-24 18:00) 

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